コスプレ用 始解斬月 試作版 作成レポート

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 1.前置き 2008年12月XX日
 
 
 あー、前置きというか何と言うか。
   「天鎖斬月 模造刀改造版」のお取引いただいたOさん(仮称)とのやり取りで、「できませんか?」とのこと。
 最初は鉄板仕様とか構想してたんだよねぇ。
 んだね。 「布持って振り回せること」なんかも入ってたんで、流石に即答は出来かねる案件。
   そのときは、保留になってました。
 んで、現実的な方で話が進むっと。
 
 
 
 2.仕様検討 2008年12月18日
 
 
 やり取りが続きます。
   頭の中でできる限りでの構想で、本体・巻き布・肩の鎖(?)状のモノ など   思いついたものを色々提案してみます。
   主に、材質・形状・塗装・発送形態とかですが。
 大きさが150cm超えると、制約が跳ね上るからねぇ。
 結局は正式回答保留ということで。 でも個人的には避けて通れない道(んなことは無い)なんで
   まずは試作から入ってみようかと。 まずはシルエットの決定ですかね。
 
シルエットクイズ  資料検討は、はしょりますが。
   とりあえずイメージを形にしてみましょう。
   相変わらずエクセル描きですが、全長170cmを想定。
   縮尺比から、上が幅30cm、下が25cmになってます。
 あんま変わらないんじゃない?
   なんつーか・・錯覚レベル?
 そんなこと無いもん。
   イラストなんか見てると柄の長さは、
   前腕部と同じかちょっと長いみたい。 40cmくらい?
   なので、下のシルエットで行ってみましょう。
 
あいであメモ  実のところ、アイデアが浮かんで
   ある程度形になったときは、メモ書きするようにしています。
   今回のネタは こいつから。
 頭の中を書き出す行為には意味があるからね。
   でもver3.0ってなんだ?
 えーと、他にも三分割仕様とかワイヤーギミックとか
   あったもんで。
   とりあえず、デカ過ぎる感があったんで、
   全長160cmで行こうかと。
 
 
 
 
 3.柄の分解ギミック加工 2009年1月20日
 
スライド機構  年末年始の休みとかは、私用やモンコレで使ったんで
   年始最初の造形は 今頃になっちゃいましたヨ。
 言い訳 言い訳。
 うるさい。
   とりあえず試作版なんで、骨子になる柄の分解機構ね。
   全体をウレタンで軽量化するとは言え、
   刀身だけで120cm有るんで、13mm厚の桐材使ってます。
 なんで桐材?
 ヒノキでも良かったんだけどね。
   加工しやすそうだったし安かったから。
 
 
 
 
 4.型紙展開 2009年2月16日
 
でかいなぁ  モンコレのジャッジ試験とか大会とか寒かったりとか
   週末フルにカードゲームに使ったんで。
 言い訳だっつーの。
 まぁとにかく、不況のあおりをくらって
   うちの会社も臨時の一斉帰休日なんて設けたもんだから
   それを利用して作業再開と。
 このままだと、雪が溶けるまでなにもしないしね。
 ヴっ。しゃれにならん。
   まぁ、でも型紙印刷貼り合せ展開。 でかいね。
   線画が良く見えませんが、相変わらずエクセル描きです。
 
   マイミクシィのさもさんが、型紙データに興味を持ってたんで
   そちらにも型紙送付展開です。
 
 こういう型紙は、共通規格とか無いんで 他人の作ったものは参考にできても そのまま使うことは難しいです。
   さもさんは、そのあたりわかってらっしゃるので、気軽にメールでデータ送付しました。 天鎖斬月データのオマケ付き。
 こういう情報はノウハウではあるけど、共有したいものでもあるよね。
 それはどうだろう・・ 意外とメリットは少ないんじゃないかな?
 
 
 
 
 5.ウレタン切り出し 2009年3月9日
 
どっかの職人みたい  モンコレのジャッジ手続きとか大会とか寒かったりとか・・
 いや、もう モチベーション低かったのはわかってるから。
 寒いと どうも作業場に居たくないもんで。
   夜、氷点下にならなかったんで活動再開。
   
    刀身は硬質ウレタンのウッドラックパネル。
   もっと良い材料が見つかるまで、多分コレが中心になりそう。
   
    今回使用は910mm×1820mmの畳(笑)
   始解斬月が小さく見える。
   畳1枚分の作業床面積が確保できなかったんで
   立てかけて型紙転写&切り出し作業です。
 家の中かたづけよーよ・・
 とりあえず、2枚貼りあわせで1本作る予定で切り抜き。
   柵取り(さくどり)で3本分ってとこですね。
   荒取りからですけど。
 
中途半端?  だいたいの大きさはこんな感じ。
 なんかわかり難い。
 その辺は追々と。
   刀身が中途半端に切れてますが、理由は後ほど。
 
仕込位置  木製のスライドギミックの仕込み位置に
   あたりをつけます。
   今回、総厚20mmに13mmの木材を仕込むんで、
   ちと強度は不安ですが、そこは試作ってことで。
 なんか割れそうだもんね。
 
 
 
 
 6.ひたすら成形成形 2009年4月2日
 
ゴリゴリ削る  さらに間が空きましたが、
   分解ギミック挿入箇所を確保のため、本体を削ります。
 なんか、ずいぶん削るもんだねぇ。
 ・・・いや・・まぁ・・ちと想定外?
   ウッドラックパネル10mm2枚で、総厚20mmに考えてたんだけど
   分解ギミックは厚さ13mm。接着含めて残り6mmしか無い。
   まぁ、しょうが無いので4mm(両側で8mm)残して
   若干、隙間ができちゃうけど、仕上げます。
でかいと接着剤がいっぱい要る  貼りあわせマース。分解ギミック仕込済。
   サンドイッチ押圧が理想だったんだけど、
   まぁ、最初なんでクリップ固定で。
 柄の方がなんか中途半端だねぇ。
こっちも中途  ふっふっふ。
   柄の方も別に進めてるゼ。 こっちも形状は中途半端。
   なんでなのかわかる人は少ないに違いない。
 どーぜたいした理由じゃなかろーに。
 
 
 
 7.仮組立 2009年4月4日
 
お外で撮影  とりあえず接着剤が乾きましたんで、
   少々はみ出てる部分を切断してから仮組みしてみます。
 なんか大きさが判り難い。
 持ちながらの撮影で斜めだからしょーがないの。
   この段階で全長160cm前後、重さ450g強。
   女性でも片手で振り回せます。
   感覚的には500mL入りペットボトルより軽いですが
   振り回せるくらいの強度がありますので、
   ポーズとったりとか、持ち運ぶのに支障はありません。
分解機構  分解機構部分はこんな感じ。
 分割ラインが変なトコに入ってるね?
 うむ。 実はこのあと晒を巻くんだけど
   柄部分は、この分割ラインまで巻いてあるので
   変なトコにラインを設けるより、
   目立たなくなると思ってここにしてみた。
   それと発送対策。 分割状態なら160サイズのゆうパックに
   十分入るので、より安価な送料で送れるのダヨ。
反対側  若干 思惑とは違う仕様になってきたが
   悪くは無いのでこのまま行ってみよう。
   今回は正式な依頼品ってわけじゃない試作品だし
   出来上がったらヤフオクにでも出品して遊んでみようかね。
 えーと、この類は出品初めてか。
   ま、今後のための経験値稼ぎには良いしね。
 
 
 
 8.外形を整える 2009年4月22日
 
粉だらけ  土日も使ってヤスリがけ。
   刃になる斜面をメインに外側一周。
 画像が部分過ぎてわかり難い。
 しょーがないの。
   とりあえず研磨くずの粉をどうにかしたい。
   ちょっとした静電気でくっついては取れないし。
塗り塗り  同時進行の干将莫耶で発覚した凹凸問題。
   こちらにも出るのがわかってるんで凹み補修。
   ぶつけたり、削りすぎたり、クリップ跡だったり。
   しばし乾燥しまふ。
 
 
 
 9.塩ビシート貼り 2009年5月3日
 
でかい  補修もだいたい済ませて表面に塩ビシート貼ります。
   この段階で、同時進行してた干将莫耶で練習してたので
   わりかし問題なく進行。
 加熱しながら貼ってく作業は変わらんしね。
 まぁ、大きさは格段に違うけど。
   若干 立体裁断がめんどくさかったけど、そのあたりは
   慣れだね。
とりあえず刀身  まずは刀身だけ。
   柄との接合部分が ちと外観悪い。
   空白部分だからしょーがないかなぁ。
曲面貼り  曲面貼り。
   形状が極端なんで、伸ばして貼るわけにはいかんし
   一面ずつかね。
とりあえずきっちり  段差まわりをきっちりと。
 この辺りが見える部分だね。
 そだね。 こういうことも考えて
   分割面作るべきだったと要反省。
みえる部分は全部  これで見える部分は前面貼り終わり。
 さらし巻く部分は要らなかったんじゃ?
 下地は大事よ。
   さらしは結構薄いんで下地を透過しちゃうから
   違和感解消に ちゃんと貼っとかなきゃ。
 
 
 
 10.鞘ぎみっく 2009年5月5日
 
さらし加工  んで、布巻きに「さらし」を使ってみるんだけど
   このままだと幅が有りすぎるんで、とりあえず半分にカット。
 カッターで真っ二つって、どんだけ強引なんだよ。
 ちゃんと切れたんだから良いの。
   切断面は、ちゃんと処理するべきなんだろうけど
   今回は放置。
   折り目がキツイんで軽くアイロンを当てておきます。
見えてる部分は接着面  塩ビシートを刀身に巻きつけてます。
   鞘のような袋状のものを作ってるんですが
   「外側に接着面」がくるように加工してます。
 うわっ・・無駄に難易度上げてる。
 接着面でさらしを支えるから、これで良いの。
皺を作る  どうやっても皺はできちゃうんで
   逆に「皺を作りながら」巻いて行きます。
 シミも見えるんだけど・・・
 作業中できちゃったの。
   この巻き作業、2回ほど失敗してやり直してるんで。
柄巻き?  柄も巻いていきます。
   半分にしたさらしでも、まだ幅が有りすぎるんで、
   更に1/3に、つまり最初の1/6幅にしたものを巻きます。
   こちらは接着剤でガッチリ固めながらね。
継ぎ足し  最後に尻尾になる部分として、
   最初の1/2幅のものを継ぎ足します。
 細いままだと見栄えが貧弱になるしね。
 
 
 
 11.大枠完成 2009年5月6日
 
さらし巻き状態  まずはさらし巻き状態。
   ぐるぐる巻きに見える。
本体1  んで、本体。
   尻尾は長めにとってあります。
鞘ギミック  尻尾部分を柄に巻きつけて
   こうやって鞘状の袋に入れてるんですな。
   これで「全体巻き形態」と「巻いてない形態」の完全再現。
本体2  本体だけだと こんな感じ。
   さて、刃の部分の塗装をどうしようか。
 
 
 
 12.刃の塗装 2009年5月9日
 
半分割  マスキング作業。まぁ、単純に半分塗装かね。
   透明なのは、ゴミ袋切り開いたものです。
   面積広いのは厄介だ。
お外で塗装  外で塗装作業。 若干実験が入ってますが
   詳細はmixiのほうで。
   結局メッキ調シルバーのグラデーションにしようかと
   思ったんだけど、吹きすぎてグラデーション上手く行かず。
   ちょっと凹む。
思ってたよりは・・  修正作業を思ってガックリしながら
   マスキングを剥がしてみたら、思ってたよりも良かったり。
 おもいっきり妥協だけどね。
 ぬうぅ。
   とりあえずメッキ調スプレーは、乾燥しても手で擦ったら
   銀色が移ったりするし、ギラつきが強いので、
   トップコートとしてマット/クリアー吹いてっと。
   乾燥したら完成ですな。
 
 
 
 13.完成撮影&決算 2009年5月16日
 
かまえ
梱包形態  完成画像は保管庫へ。
   梱包状態では長さ130cm×30cm×10cm 位の
   ダンボール箱へ。
 あー、ゆうパックの160サイズは無理か。
 仕方ないね。 本体サイズをもう20cm短くしたら
   そのサイズで収まったかもしれんけど。
 
 んで、今回のの決算。
 
 いつも通り、左は原材料(原単価)。 右は今回使用分価格。 1円端数切り上げ。
 
 原材料原単価 分割分単価分割量   使用箇所
 ウッドラックパネル  1820×910×10mm1800円 600円1/3枚 刀身・柄
 桐材  460×200×13mm350円 180円1/2枚 柄・分解機構
 塩ビシート・黒  2000×450mm800円 800円1枚 柄・本体表面
 塩ビシート・白  2000×450mm800円 800円1枚 鞘巻き(仮称)
 さらし(晒)  10000×340mm800円 400円1/2枚 柄・鞘巻き(仮称)
 スプレー塗料 メッキ調/シルバー  300mL1500円 500円1/3本 刀身
 スプレー塗料 マット/クリアー  300mL700円 240円1/3本 刀身
 ダンボール箱(特殊形状改造)250円 250円1枚 梱包/移動用
 以下計上外
 ジェルメディウム(補修)  接着剤  メディングテープ  マスキングテープ  ゴミ袋
  
 合計7000円 3770円  
 
 
 作業工程作業時間
 図面作成(作図、貼り合わせ)  レポ2,43 H
 木材切り出し、研磨  レポ32 H
 ウッドラックパネル切り出し、切削加工  レポ5,63 H
 ウッドラックパネルと木材貼り合わせ  レポ61 H
 ウッドラックパネル切削、補修  レポ84 H
 塩ビシート貼り作業  レポ93 H
 鞘巻き、柄巻き作業  レポ103 H
 刀身塗装作業  レポ122 H
 各種乾燥時間等の放置時間は計上せず 
   
 合計作業時間  21 H
 
 
  意外と高いな。 削るとすれば塩ビシートのところか塗装なんだろうけど、ちと削り難い。
 大物だから仕方無いと言えばしかたないのだが、数作るにしても必要経費が減らないというのはなんとも。
  作業時間は少なめに見積もってます。 実験・試作とか入れてないし。 試しに計上してみたけど、なんか微妙。
 今後はどうしようか。
  
  今後作るとすれば、接合部分を簡略化したver1.2なんだろうけど、強度は結構落ちるはずなんで作るかどうかは不明。
 今回のコレも、正式発注品じゃない上、Oさん(仮称)から購入見送りの(次回か?)旨も連絡もらってるので
 さてどうすんべ。
 
  やっぱり 7000円スタートでヤフオクにでも出してみようか。 物好きな人なら買うかもしれんし。
 
 
 
 14.売却 2009年6月10日
 
ヤフオク結果
 
  出品結果。
 連絡、入金、発送、発送終了の通知(ゆうパック付属) までは滞り無く行ったけど、
 発送後 落札者からの連絡は無かった。  ま、よくあること。
 という訳で、実質終了かね。
 
  結果だけ見ると、出品直後に「質問」から直接交渉してきた人と取引したほうが良かったんだろうけど・・・そこは結果論。
 最終価格が「読めない」段階では、入札を優先せざるを得ない。
 入札してくれる人は、登録料払ってたり 普段から観察してくれてたり それなりに有資格者なわけだから。
 でも高めに交渉してきたら、速攻で出品取り消してたけどね(笑)
 
  アクセス数の割にはウォッチリスト入りが4件だったんで、2本目以降作っても、この価格帯では需要は低そう。
 放映とか連載とかのタイミングもあるけど、ま こんなもんかなと。
  個人的に非常に気になってたのは、
 出品中、HPのアクセス解析を併用して観察してたら、2名ほど(?)yahooメールで直リンクでやり取りしていた人が居たみたいで
 どういう話をしていたのか興味あったり(笑)
 
 
  手間と材料費の割には「利」の無い作品になっちまったけど、大物作成のノウハウ蓄積と思えば悪くは無い。
 もともと「利」はマイナスであたりまえだしね。
  作成内容は、もうちょっと詰められるようだし、製造方法は季節を選ばないっぽいので
 価格設定次第では「模造刀改造版 天鎖斬月」同様 受注しても良いのかもしれない。  なんか考えてみよう。
 
 
 




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