コスプレ用 天鎖斬月 ver3.0(廉価版) 作成レポート

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 1.前置き 2008年7月X日
 
 
 と言う訳で 「ver3.0」です。
 何がどうなって そういう訳か ちゃんと説明しろ!
 はいはい。 模造刀改造版の方にも ちろっと書きましたが、
   メールでの問い合わせ&対話の中に「外観据え置きで、強度無くても良いので安価にできませんか?」というものが
   有った訳ですよ。
 ふむ。 ユーザーとしては、当然あるかもしれない要求&欲求ですな。
 んでもって、「ver2.X」の加工に多少ながら限界を感じていたこともあったんで、やるやらないはともかくとして
   考えてみるのも良いかと。
    ついでと言っては何だけど、そのノウハウって 当然の様に他の造形にも応用できるはずなんで、
   やってみる価値は十分にあるはず。 っと。
 また、余計なことを・・・。
 
 
 
 
 2.具体的な手法検討 2008年8月X日
 
 
 とりあえず「ver2.0」を元にして考えてみるに、
   「プラスチックチェーン」「樹脂粘土 柄頭」「柄巻き 絹紐」「樹脂粘土 ハバキ」「塗料」辺りは、材料費・工数・造形の面で
   大きくは"削れ"ないので、据え置きにしても良いかと。
 柄巻きは省略できるけど、造形悪くなるしねぇ。 樹脂粘土は、欲しい強度から言って質は落としたくないし。
   チェーンは安くなるけど金属は避けたい。
 と言う訳で、「刀身の材質」「刀身の成形」「柄の材質」「柄の成形」「分解機構の省略」をつめてみようかと思う訳よ。
 ふむふむ。
 
 材質と成形は、「研磨」作業の短縮ができれば かなり圧縮できるはず。
   分解機構は「目釘」周りを接着にしてしまえば簡略化できるし、
   元々刀身だけでも90cmあるので、接着して100cmくらいになっても全体的には大きな制約の差にはならないと考える。
 なるほど。
 
 さらに突き詰めると、刀身の成形 とりわけ「刃」の部分を研磨や折り曲げじゃなくて「切断」で。
   刀身の表面質感を「塗装」で、できれば工数は大幅に短縮するはず。  ・・・だよなぁ。
 あ、急に自信が無くなってきた。
 
 刀身と柄の材質をバルサ材と朴材に、刀身の表面質感をフォーレックスに頼った分、何か無いかなと。
   しばらくホーマック巡りでもしてみるか。
 
 
 
 
 3.新材質発掘(大げさ) 2008年8月7日
 
ウッドラックパネル  最初は、刀身をデコパネルで作成を考えていましたが
   刃渡り70cmと仮定した場合、5mm厚ではいかにも頼り無い。
    しょうがないので大きいサイズでしか売ってないけど
   7mm厚のデコパネルを買いにホーマックに行ってみた。
 7mm厚は1820mm×910mmしか無いんだっけ。
 んで、ついでだからスタイロフォーム等の壁材を
   物色していたら、こんなものを見つけたわけですよ。
   厚さ2種、大きさ2種の計4種しか仕様が無かったけどね。
   強度がバルサ並みにあって、木目や繊維が無い発泡材。
   でも指を立てても沈まないくらいの強度はあるというもの。
   ・・・なんか良いな・・・
 
 
 
 
 4.切断加工 2008年9月28日
 
ウレタン?刀身  
 模造刀改造版の方で材料集めたんで
   もちろんこちらにも流用する。
    具体的には鍔と平紐と鎖と塗料。
 共通部品はコストダウンの常套手段だね。
 一番の問題は、「刃」の斜め部分をどうやって切り出すか
   なんだけど・・
   とりあえず、模造刀の方にかかり切りの後、
   干将莫耶にも仕掛かってたんで、全然進んで無かったっす。
 
   んでもって、やっと外形抜きから。
刀身切り出し  
 イメージは「りんごの皮むき」で。
 危なっ
 普通こんなことするヤツは居ないけどね。
 
刀身切り出し2  
 片面切り出ししたものがこちら。
 波打ってるね。
 んー手作業なんで、やすりで修正してみる。
 
やすりかけ後  
 なんかあんまり解消されてないような・・
   それに刃が薄くて透けてるんだけど。
 んー・・・まぁ続けてみようか。
 
じぇるめでぃうむ  
 とりあえず、発泡材なんで、
   ジェルメディウムを塗って下地処理してみる。
 パテとかモデリングペーストじゃダメなの?
 溶剤系のパテだと刃が溶けるかもしれないし
   モデリングペーストだと重くなりそうだったんで、
   最初はジェルメディウムの薄塗りからね。
   ハケ塗り→ヘラ延ばしで、薄ーくね。
 
 
 
 5.りさいくる 2008年10月1日
 
鍔りさいくる  
 Ver1.0の鍔が、規格的には合うんで ちと流用。
    まぁ、鍔に関しては やること変わらないので。
    柄も合うんだけど、今回は柄もウッドラックパネル製に
    してみるんで、そっちは使いません。
 
柄材  
 柄の切り出し中。
 ただの長方形にしか見えんが。
 今回、型紙使わないでやってみます。
    なので、若干余計な部分がそのまま。
 
 
 
 
 6.柄周り加工 2008年10月5日
 
仮組み1  
 
仮組み2  
 だんだん形になってきましたな。
 ふむ。 やっと刀に見えてきた。
 今回、ハバキは成形後に接着しちゃおーかね。
    柄はヤスリをかけないで行ってみようと思う。
 
柄下地貼り付け  
 相変わらず壁紙ですが・・・
 ボコボコだね。
 あー、やっぱりヤスリくらいは
    かけておくべきだったカネ?
    まぁ、やっちゃったものはしょうがないので続けます。
 
 
 
 
 7.柄巻き 2008年10月13日
 
柄巻き〜足りない  
 風邪引いて体調がひどいですが、
   連休中なんで作業は進めます。
 環境が悪くなると進めようとする意欲が高くなる
   その「夏休みの宿題」みたいな性格は、いかがなものかと。
 柄巻き程度なら良いの。
   んで、どうせテスト版なんで柄紐と柄頭もVer1.0から流用。
   柄紐はギリギリの長さしか残ってなかったんで、
   最後は結べなかった。 まぁ良いか。
 
意外といけてる  
 柄頭を両面テープで仮止めしてみた。
 柄の太さに比べて柄頭が細いね。
 んー、なんかこっちの方がスタイルが良い気がする。
    実際には接着剤でくっつけちゃうんだけど、
    流用パーツなんでここまで。
 
 
 
 
 8.一応完成 2008年10月19日
 
全体像
たった4点  
 というわけで完成です。
 また、えらくはしょったな。
 今回、刀身の塗装も簡略化したしね。
   塗装は2回吹きです。 乾燥も短くてすみます。
   流用パーツもあったんでパーツ数は少ないっす。
 
   ちなみに ↑ 置いてみたら、柄の方が重くて
   刃先が浮いてます。
 
構え  
 一応構えることはできます。
   でも寝かせるとさすがに"たわみ"ますね。
   振ることはできません。折れます。
   茎(ナカゴ)から刀身の半分くらいまでに、芯材入れないと
   解消はできないかと。 ウレタンだとここまでかな。
 
表面  
 わかりにくいけど、表面はブツブツ。一部透けて見えます。
 厚くするとか、モデリングペースト塗るとかは?
 実験してみたけど、
   10mm板でも"たわみ"はちょっとしか改善されないし、
   表面が改質されるまでモデリングペースト塗ると
   すっごく重くなるの。 "たわみ"も酷くなるしね。
   それに、良く見るとハバキと鍔が噛み合って無い。
   さすが流用パーツ。
 
重さ測定  
 んで、恒例の重さ測定。 122gっすね。
   やっぱりバルサ材より若干軽い。
 柄側だけで100g近くあるしね。
 そだね。重さだけならこんなもんかと。
   それと、こっちの画像の方がブツブツ感わかるね。
 
 
 
 
 9.肝心の決算 2008年10月19日
 
 
 んで、肝心要の決算。
 
 いつも通り、左は原材料(原単価)。 右は今回使用分価格。 1円端数切り上げ。
 
   ウッドラックパネル 910×910×7mm(700円)    100円(1/7枚)     刀身+柄
   フォーレックス 450×300×3mm(1100円)      110円(1/10枚)     鍔(使用想定)
   フォーレックス 450×300×1mm(430円)        50円(1/10枚)     鍔(使用想定)
   中国産正絹平紐 幅10mm(130円/m)         390円(3m)      柄(使用想定)
   オーブン粘土「プレモ」ブラック(400円)         400円(1個)      ハバキ+柄頭(使用想定)
   プラチェーン黒6号(450円/m)              150円(1/3m)      鎖(使用想定)
   ジェルメディウム(1100円)                20円(1/100本)
   スプレー塗料 ディープレッド小(450円)        120円(1/4本)
   スプレー塗料 ブラック大(700円)           140円(1/5本)
 
 計上外
 
   接着剤 2種
   両面テープ
 
     合計       (5720円)             1480円
 
  うっし。 1500円切った。
 芯材として朴材入れたと仮定しても1800円以内で収まりますな。 原単価は置いとくとして。
 表面処理はなんとかしたいところ。 発泡材のブツブツ感は見栄え悪いしね。
 ただ、材料費だけでなく、刀身の加工がものすごく楽。 ヤスリがけが少ないのが最大のメリット。 それ以外はそれなりですな。
 ウレタン刀身に木材の芯を入れて、表面処理が平滑にできるなら、強度と外観をなんとか出来そうなんだが、
 一部 本末転倒になりそうなので次のもので考えよう。
 今後の「刀」作りには十分フィードバックできそうなので、これはコレで良しとする。
 
 
 




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