コスプレ用 天鎖斬月(ver1.0)作成レポート

もどる



 
 
 1.仕様確認 2007年1月14日
 
資料検討1  
  主な資料は単行本19巻(天鎖斬月初登場シーン)と
 25巻(斬月との戦闘シーン)かと。
 
  全体的に形状が不安定(笑)
 初期登場シーンでは長めの刀(カタナ)、又は太刀(タチ)で
 描き崩れていくと反り(ソリ)の無い直刀らしくなっていく。
 アニメ版なんかはほぼ完全に直刀ですね。
 
  んでもって、誇張表現するときには
 切っ先を大きく描くもんだから変形青竜刀みたいに。
 さてどうしようか。
 
資料検討2  
  白い天鎖斬月の描写は、黒い時よりも形状がわかりやすい。
 
 柄(ツカ)の縁(フチ)はほとんど無し。平面形成でも良さそう。
 鍔(ツバ)は周囲が立ち上がってるが、
 特に他には彫り込みなど見られない。
 鍔周りの形は結構単純で良いみたい。
 卍の形の端が若干とがってるか。
 刀身(トウシン)は、峰側と刃側は1:1くらいの幅か?
 柄は刀身とほぼ同じ幅か若干細めに見える。
 
資料検討3  
  鎖がついてる柄頭(ツカガシラ)ははっきりとは見えにくい。
 それと、黒単色じゃなくて柄の鮫皮(サメガワ)部分は赤いのね。
 鎖は先端が開放端になってる。もちろん黒。
 指を引っ掛けて刀自体を振り回す描写があったが、
 この鎖の径では難いので考えないことにする(オイオイ)。
 
 
  全長は一護の身長から考えて120cm〜140cmくらいの若干長めの刀っぽいが、それこそ描写はいろいろ。
 今回は一般的な地方の即売会会場を想定して、次のような規定があるものとしてみる。
   ・長さは1m以下。
   ・材質は金属不可。プラスチック、布、木、紙、これらに順ずるものは可。
 この2点は差異はあれど、結構一般的な条件っぽい。岩手県内ではもっとゆるい条件もあるみたいだし。
 ってことで、全長は1mくらいに収まるように作ってみよう。 鎖もプラでね。
 今回は鞘(サヤ)というものが無いので作らない。代わりに刀袋は標準にしておこうか。
 ・・・まぁ、ほとんど市販の模造刀みたいな感じ。
 
 
 
 
 2.型紙作成 2007年1月21日
 
型紙図面  
  最初は出張の新幹線の中で描いてたり(笑)
 相変わらずExcelで図面引き。
 原寸大に印刷することも想定しての5mm角グリッドライン使用。
 
 ・・・だったんだが、Office2000←→Office2003のバグについて
 知らなかったために、データ飛ばすこと5回。
 書き直しの毎日はつらかった・・・(<バカ)
 
原寸型紙  
  このくらいになると完成形が容易に想像できる。
 
  前回の鍔(ツバ)を作っていて思ったんだが、
 斬魄刀(ザンパクトウ)の鍔は、総じて大きい。
 通常の日本刀を参考にした大きさで作ると
 ディフォルメか貧相に見えるかのどっちかみたい。
 んなもんで、今回の卍形の鍔も全長10cmほどにしてみた。
 
  シルエットは直刀ではなく反り(ソリ)の少ない刀(カタナ)。
 刃長(ハチョウ)720mm、身幅(ミハバ)30mm、重(カサネ)6mm
 まぁ、刃の長さ、幅、厚さですな。 このくらいを目指してみる。
 
 
 
 
 3.材料切り出し 2007年1月27日
 
材料切り出し  
  大まかな材料切り出し状態。
 
  試製小太刀(コダチ)と基本は一緒だが、変更点がいくつか。
  鞘(サヤ)が無いのは述べたが、
 柄(ツカ)は6mmバルサ3枚の構成。(以前は2,3,5mmの複合)
 厚さ18mm、幅30〜35mmのスリム形になってます。
 柄頭に向かって5mmくらい幅が短くなる感じで
 原作調にしてみました。
  刀身は相変わらず1mmと2mmのフォーレックスの複合ですが
 鍔(ツバ)は2mm板の4枚重ね。
 この形状の切り出しは困難だったが
 (祭夜店の型抜きかと思うほど)
 材料を統一するほどに経費は下がるのが常。
  これだと購入バルサ材は1枚で済むんだし。
接着開始  
  形状の都合もあって今回は刃の方から接着開始。
 セロテープで固定しながら接着剤を塗布していく。
 
  ちなみに使用するは高粘度タイプ塩ビ用接着剤。
 溶剤タイプと違ってその場に留まってくれるヤツ。
 
 
  今回の最大の不安要素は刀身の強度。
 刀身単体で全長40cm程度の前回に比べ、今回は1枚ものではフルサイズになる90cm。
 これを同程度の幅と厚さで支えるんだから、当然鍔元(ツバモト)辺りにかかってくる負担は大きい。
 同じ基本構造で支えきれるか、振ったときにタワミを吸収できるほどの強度は維持できるか、
 などなど。
 
  こればっかりは組み上げてみないことには わからない。
 刀身と柄の形状変更も視野に入れつつ進めてみよう
 
 
 
 
 4.刀身作成〜再仕掛り 2007年1月29日
 
ふくら造り  
  出張明けでも作業作業。
 
  ふくら(切っ先の曲線部分)もしっかり成形。
 切り出し時の歪みとブレは、後でヤスリで補正するので
 とにかく組んでいく。
 
背開き  
  刃側がくっついたら峰側。
 刀の背開きというのも なんかシュールだ(笑)
 
  刃側をやったときはそうでもなかったんだけど
 峰側の接着はかなり苦労することになった。
 塗布面積が多い割に作業野が狭いため。
 ちょっと予想外に手間取りました。
 
強度不足  
  組み上げてみて強度評価。
 普通に中段に構えたりする分には良いんだが
 真横に寝せてみると、やはり鍔元付近が頼りない。
 予想通りパイプ構造が中断していることが原因か。
 (←斜め下に向けて撮影したため、ちと判り辛い)
 それと峰側の所々接着が甘かったらしく
 撓ませたらパキパキ音を立ててハガレやがんの。
  ふくらの位置も左右でずれちゃったし
 
 再仕掛り決定です・・・
 
 
 
 
 5.刀身作成〜仕様変更 2007年2月4日
 
複合材刀身  
  結局仕様変更といっても大きくは変えられないんだよねぇ・・
 と、言い訳しつつ中板としてバルサ材を使用。
 4mm厚バルサを1mm厚フォーレックスでサンド。
 感覚的には
 剛性+2、柔軟性-1、質感-1、重量±0、加工性-1 って感じ。
 近所でバルサ材は長さ60cmまでしか売ってないので
 途中接着も必要。
 (←接着中はこんな感じ。
 クリップ跡防止のためバルサの端材を挟んでる)
 ま、なんとかうまくいったけど。
 
形になってきた  
 接着 → ヤスリ荒研ぎ で、柄(ツカ)に合わせてみる。
 ちょっと、・・・というかかなりきつめなので
 茎の部分の塗装はあきらめた方がいいかも。
 
 
 
 
 6.ハバキ・鍔・縁・紐? 2007年2月12日
 
新仕様ハバキ  
  出張続きで気力が続かなかったんで、
 連休中にメンドクサイとこ まとめて進めてみたり。
 
  今回ハバキは樹脂粘土。定番「プレモ」のブラックです。
 直接型取り→焼成→研削・研磨 で一体成形。
 ちょっと硬く焼きすぎた。
 
型抜き「難」  
  鍔(ツバ)パーツ4枚の内、2枚は外周部に使用。
 
 ・・・・抜くのは疲れた。
 
縁  
  鍔(ツバ)を前後から挟み込む縁(フチ)は
 5mm厚フォーレックスから削り出すことに決定。
 この段階ですでに柄(ツカ)は研磨済み。
 
 並べて見ると鍔おっきいねぇ・・
 
仮組み  
 位置関係と角度のチェックで仮組み。
 
 ハバキの角度が若干違うので修正。
 鍔パーツの穴位置のずれを補正。
 柄を縁にはめ込むような仕様にする。
 
 ここまでくると、ほぼ完全に刀の形ですな。
 
イカ墨パスタ(嘘)  
  あんまり美味しそうじゃない(笑)
 
 黒の平紐が手に入らないので、染色中。
 染色剤は定番「Rit」のブラック。
 一応絹製品なので低温染色。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  んでもって染め上がり。
 右が染色前の銀糸平紐12mm幅。
 白に近い方が染めるとき良いかなぁって思って買ってみたら
 左が染色後。
 妙な光沢が出てしまった。
 紫あたりの濃いヤツを買えばよかったか・・・
 
 そのまま続行するかどうか迷う。
 
赤っ!  
  今回は柄・・・赤いです。壁紙(白)の塗装です。
 全周巻いてないところがなんとも。
 
 一応色調はディープ・レッド。
 血のような色をイメージとして。
 
  ううぅ・・・やっと柄巻きに入れる。
 
 
 
 
 7.柄まわり 2007年2月18日
 
柄巻き接着  
  柄巻き(ツカマキ)は特に問題なく。
 ただ、塗装した壁紙では滑りすぎて巻きのずれる箇所が
 いくつか。
  要所要所を木工用ボンドで留めていきます。
 (乾くと透明に)
 
柄頭  
  今回柄頭(ツカガシラ)も樹脂粘土で作成。
 原作設定では結び目部分を完全に隠したような
 モールドだったが、それだと厚ぼったくなるので
 先端にのみ帽子状にしてみる。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 盛って ザクザク削って成形。
 
 
 
 
2次塗装後  
  とりあえず黒色部分一律塗装。
 アクリル系使ったんで光沢有りすぎな感が・・・
 ま、良いか。
 
 結局表面が荒すぎたんで、樹脂パーツも塗装しました。
 
鎖つけ  
  がーん! Σ( ̄□ ̄;)!!
 
 用意していた6号サイズの鎖では柄頭に入らん!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  しかたないので、8号の鎖1個を仲介して接続。
 プラの鎖は、材質の特性で ほとんどの接着剤では
 強度のある接着はできないので苦労した・・
 
 
 
 
 
 
 
 
  こんな感じで。
 結構良いバランスになった。
 先端は原作調に切り欠きパーツを固定してます。
 (あ、柄頭は柄に接着固定はしてません)
 
 
 
  なんか土日しか作業できてないなー。
 出張とかの都合もあるんで仕上げと総括(次回更新)は
 3月かなー・・・
 
 
 
 
 8.微調整〜仕上げ 2007年2月28日
 
目釘開け  
  つっても 全体合わせて、合わないところ削って
 再塗装して・・・。
 
  最後に目釘穴(メクギアナ)を茎(ナカゴ)に開けて
 目釘を塗装。
 フィニッシュとしましょう。
 
 
 
 
 9.完成考察 2007年3月3日
 
 
 
 
  全長103cm、鎖延ばして130cm、幅8cm(鍔)、刃長(ハチョウ)72cm、重(カサネ)0.6cm、重さ155g・・・
 重さ300g以内を目標にしてたんだが・・・軽っ!? いきなり目標値の半分かい!
 強度はないものの軽量にできたのは良かったか。
  刀身の強化は今後の課題。 目釘周りの装飾も可能なら作ってみたい。
 柄巻きの内側は鮫革(エイ革)みたいな質感のあるものが何か欲しいね。
 いっそのこと本物買ってきてテクスチャー取っちゃうか・・・無理か・・・利用できそうに無い。
  多少厚くなっても良いから、刀身の強度は上げたい。 やはり形状も検討が必要か。 Ver2.0の改良点だね。
 鍔の積層構造が見栄えを悪くしているのでなんとかしたいところ。 んー、なんか無いかな。
 
 今回の決算 左は原材料(原単価)。 右は今回使用分価格。 切断等使用は1円端数切り上げ。
 
   フォーレックス 450×900×1mm(1280円)     260円(1/5枚)    刀身
   フォーレックス 450×600×2mm(1380円)     280円(1/5枚)    鍔
   フォーレックス 450×300×5mm(1680円)      90円(1/20枚)    鍔
   バルサ材 600×80×4mm(230円)         230円(1枚)     刀身
   バルサ材 600×80×6mm(300円)         300円(1枚)     柄
   中国産正絹平紐 幅12mm(140円/m)       420円(3m)      柄
   染色剤Ritブラック(粉末)(480円)           480円(1箱)     柄
   壁紙50×100cm(700円)                40円(1/20枚)    柄
   樹脂粘土「プレモ」ブラック(400円)          400円(1個)    ハバキ、柄頭
   プラチェーン黒6号(450円/m)             150円(1/3m)    鎖
   スプレー塗料 ディープレッド小(450円)       230円(1/2本)
   スプレー塗料 ブラック大(700円)           700円(1本)
 
 計上外
 
   接着剤 4種
   両面テープ
   箸 1本
 
     合計                          3580円
 
 まぁ・・・実際には失敗も含め倍以上かかってるわけですが・・・・
 
 とりあえず概ね成功ということで。
 でも、自分では使わないんだよねぇ・・・どうしよっか? ver.2.0のサンプルということで。
 ver.2.0は売り物になるようにしてみたいです。
 
 
 




もどる